石になったカエル

本日、とても印象に残ることがあったので、ブログに残しておこうと思います。

 

6月13日の日曜日。この日は馬橋北小でジュニアリーグ予選が開催。ゆうかりは南公園で練習となりました。

せっかくなので基礎練習をやりたいと思い「ゴロ捕り」や「フライ捕り」を中心に練習。

フライの練習では、遊び心をくわえて帽子でキャッチしたり、当てっても痛くないようにテニスボールを使ってノックをしました。

丹羽特別コーチによる、華麗なるテニスノック!

 

そして、ゴロ捕りの練習では「ゴロの正面に入ること」「しっかりと腰を落とすこと」「タイミングよくグラブを出すこと」を目的として、「カエルのように、ぴょんと跳ねてしゃがんで捕ってね」と指導をしていました(私はよくやる練習)。

そうしたところ、なんと、子どもたちの大半が「カエルを見たことがない」という衝撃の事実が発覚。

うそだろー、と思っていたら、今日の練習に参加してくれたOB・イホウが、「僕が10分で捕ってきます」といって、自転車でどこかに猛ダッシュ。そして、なんと本当にカエルを捕まえてきてくれました(ついでにスッポンも捕まえてきた。ほんとうに彼はたくましい・・)。

イホウが捕まえてきてくれたカエル

 

興味津々でカエルに見入る子どもたち。でも、誰もなかなか触れない。ワイワイガヤガヤ見ていたところ、突然カエルがベンチから地面へジャンプ!

あっ! と思った時には、偶然にもはしゃいでいた子どもたちに踏みつけられ、カエルは無残にもぺしゃんこになってしまいました・・・。

その時の子どもたちの気まずそうな顔を覚えています。私もどうしていいものか・・・。とりあえず拾い上げて手に包み「お墓を作って土に埋めよう」と言いました。

南公園の木の根元に穴を掘って、カエルを埋めました。土にカエルを置いたとき、ビクッとかすかにカエルが動きました。

「まだ生きてる!」と子どもたちが言いましたが、イホウが「いやもう心臓がつぶれてしまったし、生きてはいないよ。神経がまだ残っていて反応しただけ」と言いました。彼は本当によく知っています。

土をかぶせて埋めると、子どもたちが木の枝を拾って立てました。

 

その後、練習を再開しましたが、なんとなく心の中でモヤモヤが残っていました。どう対処すればよかったのかなあ、練習をストップして、もっとしっかり「命のはかなさ」を考えさせる機会にした方がよかったのではないか、、、と。

なので、同じ日の夕方、犬の散歩がてら南公園に行き、お墓がどうなっているか見てみました。

 

すると、誰が置いてくれたのか、埋めたところに「石」が置いてありました。墓石のように。

思わず写真に撮りましたが、私にはこの石がカエルに見えて仕方がありません。

 

家に帰ってからも考えました。

生き物には命がある。その命は、はかなく、もろい。強い者にいとも簡単に奪われてしまう。

そうした「命の大切さ」を考える、とてもいい機会だった。それを活かせなかったなあ、と。

 

子どもたちがカエルを見たことがない、触ったことがないのは、もちろん子どもたちのせいではない。

せっかくこの松戸市という、ある程度自然に恵まれた地域で過ごしているのだから、自然と触れ合う、生き物と触れ合う、って大事なことだと思います。外で遊ぶ。大きな意味ではゆうかりソフトの活動もその一環です。

後から、アマガエルにも毒があり気を付けなければならないケースもあることを知りました。

下田監督と情報共有でこの一連の話をしたときに「何故ちいさなカエルでも毒を持っているのか?持たなくてはならないのか?」と言っていました。まさにそうしたことも含めて、私たち指導者と保護者が、子どもたちに教えていかなければならないと思います。

 

カエルの死骸をみて、子どもたちは何を思ったのかなあ。

ほんの数秒前まで元気なジャンプを見せていたカエル。

せめてもの報いは「カエルキャッチ」を上手にできるようになることです。

飛べなくなったカエルのためにも、子どもたちにはこれから大きく飛躍して欲しい。そう願ってます!

 

コーチ・森川